工場耐震改修の必要性

工場耐震改修の必要性について

専門家

工場で揺れに対して十分な強度を持っていない可能性がある建物は専門家に依頼し、大きな地震が起きた時に、どの程度の被害が発生するのかを把握しておく必要があります。その結果、対策が必要とされる場合は、最も効果的で経済性のある改修を行うことが、地震による被害を最小限に抑える方法です。全国の耐震基準は1981年6月に改正され、新耐震設計基準となり、それまでの基準は旧耐震として区別されるようになりました。新耐震が旧耐震と異なる点は、建物のバランスが考慮されたこと、地域による揺れの大きさの違いや建物の高さ、揺れ方の特性による影響を考慮した点です。したがって、旧耐震で建てられた建物は、バランスが悪い可能性があります。バランスが悪い建物は揺れが起きた時に、一ヶ所に力が集中し、建物を壊してしまう恐れが高くなります。

補強ブレース
補強ブレース
補強ブレース
補強ブレース

耐震改修促進法の改正

平成25年11月25日に改正耐震改修促進法が施行され、不特定多数の者が利用する建築や避難弱者が利用する建築物のうち大規模なものには耐震診断が義務付けられました。不特定多数の者が利用する建築には病院、店舗、旅館等が該当し、避難弱者が利用する建築物には学校、老人ホーム等が該当します。これらの建物は義務として診断を行わなければなりませんが、工場の場合は法的な義務はありません。しかし、生産設備のある建物は他の建物と違い、重要な物品の生産を行っている建物です。災害により被害を受けると生産が止まり、多方面に多大な影響を与え、損害は自社だけに留まりません。多くの関連企業や消費者に迷惑がかからないように、事前に対策を講じておく必要があります。床の面積を必要とする大型の建物は、そのほとんどが鉄骨造です。鉄骨造は部材が隠れていないので、構造部材がそのまま建物の構造計算に反映できます。鉄筋コンクリート造のように、どんな鉄筋が入っているか、分からないことはなく、部材を確認できるので調査しやすく、建物が合理的にできていると同時に、余裕のないことを意味します。鉄骨造は耐震診断を正確に行うことができ、効果的な補強のできる建物です。

構造設計一級建築士による診断

建物の診断は構造設計一級建築士が担当します。構造設計一級建築士は一級建築士を取得後、さらに構造設計の実務経験を積んだものが研修と試験を受け、合格した場合にのみ与えられる資格です。構造に関してプロ中のプロと言え、安心して任せることができます。鉄骨造の耐震診断は、精密な3次診断にて行われ、詳細な建物調査を行います。鉄骨造の補強は鉄筋コンクリート造の建物と比べて簡単にできます。ブレースと呼ばれる斜めの材料を柱と柱の間に取り付けたり、柱に厚い鉄板を巻きつけたりと、鉄を材料とており、元々の鉄骨造と相性が良いためです。工事の実現のための条件としては、建物を強くするための費用が、建物を強くしたことによる効果を上回っていることが挙げられます。建物を揺れに対して強くする工事を行った建物は、その後に起きた大きな揺れに対して、十分効果をあげていることが、東日本大震災の被害調査等により判明しています。大きな揺れが起きた場合に建物に深刻な被害が生じるのは柱の破壊によります。柱が残って屋根が落ちなければ、建物に致命的なダメージを生じさせることはほとんどありません。大きな被害もさることながら、二次部材も生産活動に影響を与える場合があります。天井の落下はその代表的なもので、落下しそうな天井は事前にわかります。特に床面積の大きな生産設備のある建物は、天井の面積も大きく、落下した場合の被害は深刻です。二次部材の調査も合わせて行うことが薦められます。

工場天井

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